2021年10月8日金曜日

音読、してみませんか?

  「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり…」、「今は昔、竹取の翁と言うものありけり。野山に混じりて竹を取りつつ…」、「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮ぶうたかたは…」

いずれも有名な古典の冒頭文です。今とは言葉が違うので、言葉を理解するというよりは音そのものの雰囲気を楽しむような感覚で読むことが多いように思います。その意味では音楽のようなものなのかもしれません。ただ不思議なことに、身体で言葉のリズムを感じながら音読していると何となく文の意味が伝わってくる気がします。口に出して発音するということは、文章を心で納得して初めて出来ることなのかもしれません。

 私は国語の指導をするとき、必ず生徒と一緒に音読をします。そしてその際、文章を身体で理解するよう、必ず身体でリズムを取りながら読むように心掛けています。そうやって一緒に文章を読むと、文章を心で理解できるように感じますし、生徒からも文章を理解できたときの笑顔がよく見られるように感じます。

県外出身の私が鹿児島に来て驚いたのは、小学校で音読の宿題が毎日出ることでした。文章の理解を深めるためかな…と私は捉えています。私自身は小学校の時に毎日音読をしたような記憶はありません。今になって、読んだことのある文章でも音読を通して世界が広がる感覚を感じています。子どもたちと一緒の音読、いかがでしょうか。きっと本の世界が広がるでしょう。