2022年10月19日水曜日

壊れたラジオ

 夏前のある朝のこと。いつもの通り、眠い目をこすりつつコンポの電源を入れ、セレクターをラジオに合わせ…たのですが、音が出ません。ぼ〜っとする頭の中で「機嫌が悪いのかな…」(発想が昭和ですね)と思いながら電源をオン…、、のはずが、やはり電源がつきません。

ん??とそこでやっと私の意識がはっきりしました。どうやら壊れてしまったようです。その後も色々やってみましたが、もう一度電源が入ることはついにありませんでした。

 思い返せば、このコンポは私が大学入学時にお祝いとして買ったものです。いわゆる「バブルコンポ」の遺産のようなコンポで、CD、MD、テープがそれぞれ独立したケースに収まっており、さらにはウーファーまでも装備していました。買って22年、よく持ったものです。壊れたことがわかったとき、悲しさも感じましたが、それ以上に感じたのは今までよく音楽を奏でてくれたことに対する感謝でした。

 最近の音響機器市場は非常に縮小しているようです。撤退・廃業したメーカーもあります(ONKYOKENWOODの撤退・廃業はショックでした)。コンポも昔のものに比べて非常にコンパクトになっています。私はバブルコンポの(ある意味での)大袈裟さが好きなので、今の状況には非常に寂しさを感じます。あの大袈裟さも音楽の一部となって伝わってくるように思えるのです。

 実は今回壊れたコンポはまだ家にあります。いつか修理して復活させ、あの大袈裟な音をまた味わってみたいと思ったのです。「コスパ」から考えれば新しいものに、となるのかもしれませんが、こういう修理にかける「コスト」もまたいいものではないか、と私は思うのです。

 

※私のコンポとは違いますが、こんな感じのものです。大袈裟ですね…(笑)